固定と変動どっちが得?

投稿者: | 2018年1月20日

概要

  • 固定金利と変動金利って実際どうなったらどっちが得なの?
  • 金利がどこまで上がれば変動金利が損するの?
  • シミュレーションで確かめてみます

簡単なローンのお話

車や家などの高額な買い物をする際に、
手元のお金で支払えればいいですけど、
中々難しいと思います。

そんなわけで、ローンを組んで、
一時的にお金を借りて、
月々返済していくという形を取る人も多いと思います。

金利

そんなローンを組むときに重要なポイントとして金利があります。
借りたお金だけ返すのでは、貸した人に何のメリットもないので、
当然、借りた金額より多く返すのですが、
何割多く返すかが金利 です。

ただ、金利は返していない残りのお金に対してかかるので、
お金を返すために待ってもらうための料金
と考えた方が分かりやすいかもしれません。
繰り上げ返済でさっさと返してしまうと、
支払いが少なく済むのもこのためです。

固定と変動

金利には大きく分けて、
固定金利と変動金利の二種類があります。

固定金利では、金利は固定で、
ローン契約時に 2% であれば、
以降ずっと、2% の金利となります。

変動金利では、 ローン契約時に 1% であっても、
その時々で、2% になったり、0.5% になったりと、
変化する金利です。

通常、ローンを組むときは固定金利の方が、変動金利よりも若干高く設定されていて、
金利の変わらない安定感があるが少し割高の固定を選択するか、
金利が高くなるリスクを持つものの、当面は安い変動を選択するかという選択になります。

金利変動時のシミュレーション

変動金利で金利が上昇した場合、
固定金利を超えてしまう可能性があります。

ただ、固定金利を超えたからといって変動金利は損したといえるでしょうか。
超えるまでの間には、低い金利で済んでいるはずなので、
単に超えただけでは損にはなりませんね。

また、ローンの支払いを続けている内に、
借りているお金の残金は減り続けています。
同じ率の金地でも残金が小さい方が、支払う金利は小さくなるので、
残金が減ってから、多少金利が上がったとしてもダメージは小さくなります。

このように、いくつかの要素が絡まって支払う金額が決まるので、
単に変動金利が固定金利を超えたからといって、
直ちに、変動金利が損になるわけではありません。

そこで、いくつかの金利の増加の仕方のもとでシミュレーションを行い、
どう言う状況でどっちの方がいいのか調べてみましょう。

状況設定

シミュレーションのために、 次のような状況を考えます。

借入金額:3400万円
変動金利(初期):年0.575%
固定金利:年1.71%
返済期間:35年
返済方法:元利均等返済

元利均等返済は、金利を含めた月々の支払が一定額となるように返済する方法で、
その一定額から、金利を引いた残りを借りたお金の返済に充てる返済方法です。

シミュレーション結果

シミュレーションで用いた関数定義はこの記事の最後に示します。

まずは固定金利の場合を計算します。

徐々に増加する場合

続いて、変動金利の場合ですが、
金利を毎月一定ずつ上昇させた場合のシミュレーションを行うことにします。
常に金利が上がり続ける状況というのは現実的ではありませんが、
リスクを調べるのには役立つと思います。

それでは、金利が増加していった時に、
固定と変動で支払い総額がどう変わるかをグラフで見てみましょう。
下のグラフは横軸に月当たりの変動金利の増加量、
横軸に全期間での支払い総額を示しています。

赤の破線は固定金利の場合の総額、
黒の点は、変動金利の場合の総額を表しています。
それぞれの点は、35年後に金利が +1%,+2%,…,+10% となるように、
金利が徐々に増加した場合の結果を表しています。

グラフを見ると、+3%までであれば変動金利の方が、
固定金利よりも総額が小さく、変動金利がお得と言えます。

逆に+4%以上になると、固定金利の方が総額が小さく、
固定金利の方がお得と言えます。

つまり、35年かけて緩やかに金利が+4%されると考えられるなら、
固定金利を選んだ方が良いと言えます。

ある時期から急に増加する場合

先ほどの結果は、金利が徐々に増加する場合の結果でした。
ところで、今の低金利は政策によるところが大きいと思われます。
そのため、しばらくは同じような金利で、
政策が見直された時点から金利が増加するという状況が考えられます。

そこで、ある時期を境に金利が急に変化する場合をシミュレーションしてみます。
金利が変化する時期は1~34年後として、
金利が +1%~+5% の変化をするとして、
それぞれの場合を計算してみます。

下のグラフは、シミュレーションの結果を表しています。
横軸は借り始めから金利が変化するまでに経過した年数で、
縦軸は返済総額です。
また、金利の増加幅毎に色をわけて表示しています。

当然、金利の増加幅が大きいほど総額は大きくなりますし、
早い時期に金利が増加しても総額は大きくなります。

ピンクの破線は固定金利の場合の総額を表しています。

+3% は、先ほどの徐々に増加した場合の目安となる値でしたが、
こちらだと、15年増加しなければ、変動の方が固定金利よりも得です。

+4% の場合は、17~18年増加しなければ、変動の方が固定金利よりも得です。

つまり、初年度から徐々に増加して最終的に+3%か、
急に+4%増加になるとしても17~18年間、金利が上がらないのであれば、
変動金利の方が得と言えそうです。

固定+変動のシミュレーション

結局、将来の金利がどうなるかは誰にも分からないので、
変動と固定どちらがいいのかを結論できません。

実は、変動と固定の間を取ったプランもあり、
それぞれの良い所と悪い所を混ぜて均したようなローンの組み方もできます。

そこで、変動と固定を混ぜたプランを使った場合にどう変わるのか、
シミュレーションしてみましょう。

一定期間固定パターン

変動と固定を混ぜたプランの種類はいくつかありますが、
一つは、ローン支払い開始から一定期間は固定金利で、
その後は変動金利で支払うという方式があります。

この場合、最初の金利は、現時点の変動金利より高めに、
固定金利より低めに設定されており、
期限付きではありますが、低い固定金利を受けることができます。

では、最初の10年間は金利1.40%固定で、
それ以降は変動金利に切り替わる場合のシミュレーションをしてみます。
金利は、借り始めから徐々に増加するものとします。

次に、最初の10年間は金利1.05%固定に下げる代わりに、
固定期間終了後は変動金利+0.45%に変わる場合をシミュレーションします。

それでは、結果をグラフで見てみましょう。 黒は全期間変動、緑は10年間1.40%固定、
青は10年間1.05%固定の代わりに変動期間は割増し、
赤は全期間固定を表しています。

グラフを見ると、固定と変動を混ぜると、
若干グラフの傾きが水平に近づき、
金利の変化の影響を受けづらくなっていることが分かります。

その変わり、金利の増加が小さい時に固定よりも得をするという
変動のメリットは若干薄れています。

面白いのは、固定と変動を混ぜたものであっても、
fix_var1よりfix_var2の方が総額が常に小さくなっているところです。
fix_var2の方が、固定期間終了後の金利は割高ですが、
それまでの金利が安く、元金を多く返せていることが、
このような返済総額の差を生んでいます。

このプランの場合、固定期間に急激に増加して、
変動期間になれば、急落するような変化をするのが、
一番得をするのですが、
今のように、徐々に増加する場合については、
そこまでメリットは感じられないように思います。

ミックスプラン

二つ目のプランは、
一定額を変動で、残りを固定で借りるというものです。
例えば、3400万円のローンを組むときに、
1700万円を固定で、
残りの1700万円を変動で借りることができます。

では、そのようなローンを組んだ時のシミュレーションをしてみましょう。

グラフで結果を見てみましょう。 水色の線がミックスプランの結果です。

ミックスプランは、固定と変動を丁度半分づつ取り入れているので、
返済総額は、固定と変動のほぼ真ん中に来ていることが分かります。

いつでも固定か変動のどちらかよりは得をしていて、
もう一方よりは損しているのがミックスプランです。

固定と変動の金額の割合でこのグラフ傾き(リスク)を調整できるので、
純粋な変動金利の傾きは怖いという人は、
自分に合った傾きになるように自分で調整できるというメリットがありますね。

まとめ

ローンを組むときに変動金利と固定金利のどちらで組むべきかを
シミュレーションで見てきました。

シミュレーションでは、35年間じわじわと金利が増加する場合、
最終的に+3%までの増加であれば変動金利が得であることが分かりました。
35年で+3%、+4%が起こるかどうかは神のみぞ知るなので、
当然、今の時点でどちらがいいと結論を下すことはできません。

変動金利は、もともとリスクを背負うことで、
低めの金利を受けているものなので、
過剰な負担にならないリスクの範囲であれば、
リスクを負ってみたいと思うかもしれません。

ミックスプランを利用すれば、
リスクの範囲を自分である程度コントロールできるので、
自分で対処できる範囲のリスクで、
低金利のものをという選択もいいかもしれませんね。

関数定義

上のシミュレーションで使った
関数の定義を下に記載します。

※ 一部計算を簡略化しているため、 計算される金額は厳密な値ではなく、 あくまで参考値です。


 

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